
NHKTVドラマ化原作、完全版で登場!
フランス文化勲章シュヴァリエ受章の漫画家・谷口ジロー氏が、世界に「発見」されることになった名作が、初の全エピソード収録&カラーページ再現の完全版として登場!
本作は2020年4月〜2021年3月まで、NHK BS4K8Kにて初のテレビドラマ化がなされ、大好評放送中です!
(主演:井浦新、田畑智子)今回の完全版では、以下の4点が大きな特長です。
★初のB5サイズで刊行。
カラーページも完全再現。
★2010年にLOUIS VUITTONが刊行した「TOKYO CITY GUIDE2011」に描き下ろされた『歩くひと』の特別編を初邦訳・全世界で初めて単行本に収録。
★映画監督・是枝裕和氏が初めて谷口ジローについて書いた寄稿文を掲載(書き下ろし)★購入特典として「別冊読本 谷口ジローが『歩くひと』を描いた日々」を収録。
連載当時の著者「近況報告」や、担当編集者が当時を振り返る文章等を掲載。
驚くほど精緻に描かれた原稿をゆったりと堪能できる、美しく奥深い本に仕上がりました。
『孤独のグルメ』(原作:久住昌之)にも連なる作品世界をご堪能ください。


コメント
谷口ジローのルポ的漫画はまだ乗り切れないところがある。
また歳をとってから読もうか。
だから『孤独のグルメ』も、『散歩もの』もある面では神レベルで好き。
…なんだけど、人物の絵柄が好みでないせいか、「大好きです」とプラカードを掲げたい気持ちにまでなれないのが正直なところ。
また、最近オノナツメばかり読んで女性が描く(理想の)男ばかり見ていたため、「歩くひと」からほのかに薫ってくるリアル(?)なオヤジ臭さに思わずたじろいだ。
でも風景の絵はとても緻密できれいで、全体の空気感というか、この余白をへたに音楽で埋めないでほしいと願いたくなる「間」みたいなもの、読んでいるだけで夏の日差しや雨の匂いが感じられるところなど、さすがの一言。
美しい風景や驚くような出来事に出会うわけでもない。
淡々と近所を歩く。
それだけなのに、心が豊かになる。
緻密に書き込まれた絵と極力そぎ落とされたセリフが、人生の愛おしさを語りかける。
路地を抜ける、よしずを買って帰る、雨の中を歩く、海を見に行く。
何もないからいい、歩いているだけだからいい。
私も外へ出て歩いてみよう。
歩くひとは歩くこと自体を楽しむ。
通い慣れた道でも、たまには違う路地を選んでみる。
そんな日常の風景を瑞々しく切り取った、谷口ジローにしか描けない名作。
谷口さんはそんな時代を予見したかのように、立ち止まり、深呼吸をし、空を見上げて来た。
あなたたちは相変わらず時間に追われながら私の脇を、小走りに通り過ぎていくのか。