
ほんとうはすべて知っていた。
心の底流(undercurrent)が導く結末を。
夫が失踪し、家業の銭湯も手につかず、途方に暮れる女。
やがて銭湯を再開した女を、目立たず語らずひっそりと支える男。
穏やかな日々の底で悲劇と喜劇が交差し、出会って離れる人間の、充実感と喪失感が深く流れる。
映画一本よりなお深い、至福の漫画体験を約束します。
「今、最も読まれるべき漫画はこれだ!
すでに四季賞受賞作で確信していたその物語性と演出力に驚く。
豊田徹也は心の底流に潜む、なにかの正体を求めるように静かに語る。
」――(谷口ジロー)


コメント
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
間違いなく1位です。
まさしく人間ドラマです。
『人をわかるってどういうことですか?』
グッと心にきました。
ラスト2ページは言葉はないけど、
絵だけで人のなんともいえない感情を表現してます。
ここまで表現できる漫画はあんまりないと思います。
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
1 下層の水流、底流
2 《表面の思想や感情と矛盾する》暗流
小説のような豊田徹也の漫画。
大雨の夜に読了。
家業の銭湯を継ぎ、日々の暮らしを営む主人公かなえ。
8年の時間を共にしてきた夫の突然の失踪。
その後、町で起こるいくつかの事件。
ミステリー要素と共に展開される人間の描写。
探偵山崎の「人をわかるってどういうことですか」という問いかけが
作中全体を通じて、じわりじわりと投げかけられる。
長い時間を共にしてきたからといって、
その人の考え方を知ったからといって、
その人のことを”分かっている”わけじゃない。
”ちょっとした表情とか間とか…沈黙とかそういった”
言葉にならない本当の言葉の部分に触れることができるのか。
人に言えない過去を抱えながら生き続けていることへの葛藤や
今を共にする人に分かってもらいたい・分かち合いたいという願望。
そういった繊細な心情が人の水面下でゆらゆらとしている。
死を願うかなえの涙を拭う堀さん。
夫との最後の別れにビンタではなくマフラーをかけるかなえ。
undercurrentというタイトルが妙味を持って迫ってくる。
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
言葉が深く、眩しそうな表情がいい。
男女キャラクターとも。
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
題名の示す通り、人の心の底流を覗くような作品。
人間関係について考えさせられた。
作品全体を包む雰囲気はよく、出てくるキャラクターも愛おしい。
この作品に出会えて、本当によかった。
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
暫く営業を休んでいたが、改めて再開することにした。
組合から技師である堀を紹介され、彼の寡黙ながら真面目な仕事ぶりに助けられつつ、順調に銭湯は運営される。
しかしかなえには夫の失踪のほかに、ずっと心の奥に閉まっていた辛い過去があった。
本作で出てくる登場人物はみんな極端に口数が少ないけれど、内に各々想いを抱えながら生きている。
多くは語らずとも、登場人物のちょっとした心の動揺や変化が伝わってくる絶妙な描写。
結局のところ何も変わらないかもしれない。
でも、それぞれが前に踏み出せればいいなと思う。