アンダーカレント

ほんとうはすべて知っていた。
心の底流(undercurrent)が導く結末を。
夫が失踪し、家業の銭湯も手につかず、途方に暮れる女。
やがて銭湯を再開した女を、目立たず語らずひっそりと支える男。
穏やかな日々の底で悲劇と喜劇が交差し、出会って離れる人間の、充実感と喪失感が深く流れる。
映画一本よりなお深い、至福の漫画体験を約束します。
「今、最も読まれるべき漫画はこれだ!
すでに四季賞受賞作で確信していたその物語性と演出力に驚く。
豊田徹也は心の底流に潜む、なにかの正体を求めるように静かに語る。
」――(谷口ジロー)

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コメント

  1. user より:
    アンダーカレント アフタヌーンKCDX

    音、が聞こえる。

    風鈴のすずやかな音色は涼をもたらし、
    かまの中の薪はパチパチと火の粉をとばしながら、はぜている。

    タイルを磨くブラシの音は心地よいリズムをうみ、
    ページをめくるごとにそれらの音は耳に心地よく響く。

    そう、だからこそ
    音が失われてしまった瞬間、
    訪れる静けさはひと際目を引く。

    失われた音を、その原因を探ろうと、わたしは目を凝らす。

    信じられない程の哀しみが、痛みが、裏切りが、
    彼女から彼女の生活から音を奪ってしまったことに愕然とする。

    あまりの完成度の高さに驚き
    作品の余韻に身を委ねたまま、
    わたしは静かに本を閉じる。

  2. user より:
    アンダーカレント アフタヌーンKCDX

    丁寧で奥深い何度も読みたくなる作品。
    ただ優しいだけの物語ではなく、その人のささやかな優しさを表現するためにコマ割りや演出にかなり気を使っていて作り手の作品に対する本気度が伝わってきます。
  3. user より:
    アンダーカレント アフタヌーンKCDX

    以前から評判を聞いていて気になっていたのだが、いやはや期待以上に素晴らしい作品であった。

    細い線で描かれる、決して特別ではない市井の人々である登場人物たちの人生の機微に、心を掴まれる思いで一息に読んでしまった。
    読後はしばらく余韻に浸ってしまい、物事が手につかないほどであった。
    (これだから漫画を読むのは辞められない!

    著者の豊田徹也氏は寡作の様だが、たとえペースが遅くとも、このように繊細で素晴らしい作品を今後も生み出していって頂きたいと、一漫画ファンとして心から願う。

  4. user より:
    アンダーカレント アフタヌーンKCDX

    突然、夫が失踪してしまう。
    わかりあっていたようで、何もわかってないことって、あるんだなって思うと、切ないです。

    他者理解が不可能っていうところもあるけど、ラストのシーン彼女の優しさに泣きそうになる。
    「さよなら」って本当に「さよなら」なんだって思って、そういう「さよなら」って現実にあるんだよなっていうのが、切なくてどうしようもなかった。
    でも好きだな。
    どろどろしてなくて、前向きな肯定で終わるから。

  5. user より:
    アンダーカレント アフタヌーンKCDX

    今まで色んな本を読んできたけど、
    間違いなく1位です。

    まさしく人間ドラマです。

    『人をわかるってどういうことですか?』

    グッと心にきました。

    ラスト2ページは言葉はないけど、
    絵だけで人のなんともいえない感情を表現してます。

    ここまで表現できる漫画はあんまりないと思います。

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