
「じゃーな、西宮(にしみや)」。
硝子(しょうこ)を庇って大けがを負い、眠り続ける将也(しょうや)。
前を向くと決めた硝子は、絶望の中、壊してしまったものを取り戻そうと動き出す。
バラバラになった仲間たちの「こえ」にそっと耳を澄ませる――。
繋がる想い。
そして、再開した映画作り。
時を刻み始めた彼らの世界に、待ち受ける未来は――。
映画化 原作漫画
「じゃーな、西宮(にしみや)」。
硝子(しょうこ)を庇って大けがを負い、眠り続ける将也(しょうや)。
前を向くと決めた硝子は、絶望の中、壊してしまったものを取り戻そうと動き出す。
バラバラになった仲間たちの「こえ」にそっと耳を澄ませる――。
繋がる想い。
そして、再開した映画作り。
時を刻み始めた彼らの世界に、待ち受ける未来は――。
コメント
大人への階段を登りながら悩みもがく青春時代。
きっとこれからも決して順風満帆ではないかもしれないけど、自分の正直な姿に向き合って成長した彼らは、きっと強く生きていけるのではないだろうか。
そんな希望を感じながら最後のページを閉じた。
読みやすかった。
全巻通してダラケや割愛などといったムラがないから、全力で主人公にのめりこめる。
個人的には西宮のお母さんが原因かと読み進めていたけど、いじめられる西宮本人の内面までをも原因のひとつとしてつきだし、最終巻まで、誰が、何が悪と直接的な原因として決めつけていなかった。
この最終7巻では、登場人物の今後がわかりやすく希望的に描かれていた。
ラストまで登場人物の性格や立ち位置そのままなのが、現実的で特に良かった。
走馬灯のようなムダな回想もなく、最終巻の名に恥じない、堂々とした見事な回収っぷりに脱帽。
これまでを振り返ると、川井や小学生時代の担任の描写がひときわ印象深かった。
彼らはいたって普通だし、場面での言動も模範的なものである。
しかし主人公(読み手)の感情との奇妙な、なんともグロいズレを感じるのだ。
例えば、「入院している主人公のために、千羽鶴を届けよう。
」という川井の提案。
この提案が、私が感じたズレによるグロさを端的に表している。
一見すると至極まっとうな提案だが、川井は千羽の鶴を折って届けることをミッションとしてしまっている。
そのミッション完遂に満足するのは誰なのか。
だから彼女は、折り鶴が千羽に満たないことを主人公に詫びるのだ。
これでは病床の主人公のために、という本来の目的を失っている。
ふと私は、一時期話題になったアイスバケツチャレンジの動画を思い出していた。
主人公が川井のことを真正面から「気持ち悪い」と言う場面では、胸のすく思いがした。
きっとこのズレが、いじめがはらむ本当の悪なんだろうと私は読み取った。
圧巻はやはり6巻の西宮回。
ここで西宮からみた日常を初めて知るんだけど、もどかしさに不覚にも潤んでしまった。
上を向いて歩き始めた将也。
苦難もあるだろうけど、輝かしい未来が待っていることだろう。
ディスコミュニケーションと小中高という狭い閉塞感あるコミュニティでの人間関係を生々しく掘り起こす。
持論、ダメなら遠く逃げて持ち直した方がいいと思ってるけど、本書は、向き合って相手は変わらないかもしれないけどせめて自分は変われるよねって話。
逃げて持ち直せれば逃げたままでいい。
けど本書の主人公のように、逃げたまま、トラウマがずっと追いかけて肥大するばかりで行き詰まってしまったら、もう立ち向かって戦うしかない。
立ち回りが下手くそでも、怖くても、踏み込んで希望を掴みたくさせてくれる内容でした。
久しぶりに感動した。