夕凪の街 桜の国

昭和30年、ヒロシマを舞台に一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。
最もか弱き市井の人たちにとって戦争とは何だったのか、原爆とは何だったのか。
こうの史代が描く渾身の問題作。

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コメント

  1. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

    『この世界の片隅に』の作者の作品なので読んでみました。
    原爆投下後の広島に生きた平野家の人たちを中心とした物語(ヒストリー)。
    『夕凪の街』は原爆から10年後の昭和30年の広島が舞台。
    職場の同僚との語らいや淡い恋…しあわせを感じる瞬間にも原爆での記憶が蘇り、過去に引き戻されて苦しむ皆実。
    原爆による痛みは彼女の心のみならず、やがて身体にも及んで…。

    『桜の国(一)』は昭和62年の東京が舞台で皆実の弟旭の娘、七波が主人公。
    野球が大好きなおてんば娘で健康そのものだが、弟凪生は喘息持ちで入院しており、祖母(皆実の母)も体調がすぐれずその病院で検査を受けていた。

    『桜の国(二)』は平成16年。
    大人になった七波が父旭の後をつけて広島を訪れる。

    七波の手から舞い上がる紙吹雪が桜の花びらに重なって、父旭と母京花の若き日へとオーバーラップしていくシーンが美しい。
    桜の花びら一枚一枚が、散っていった人々の命を連想させるような気がする。

    運命の大きな渦に抗えない人間の儚さ、悲しみを感じつつも、そんな中でも受け継がれていく人々の思いや命の輝きをも感じられる、余韻の残る物語でした。

  2. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

    優しい心を持った人たちの優しい物語。

    自分たちの置かれた状況にかかわらず、他人に対する思いやりにあふれた人たちの物語に、静かな悲しさがあふれてくる。

  3. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

     原爆の後遺症で1955年に亡くなった少女、その母親、弟、姪のその後を描いた作品。
    当地の日本語補習校の図書室の蔵書は3、4年前まで僕の担当だったので、自分の好みで選んだ一冊。
    処分対象になってる本を何冊か読むので、ブクログもしばらく児童書が続きますw。

     世代を超えて長期に渡る後遺症、生き残った罪の意識、被爆者差別など、重い話ですが、カラッとした場面もあって、全体の読後感は「はだしのゲン」のような感じではないです。

     難を言えば、出だしの場面から人物の名前や、世代を越えた相関図がわかりにくいこと、でしょうか?
     でも、全体的には子どもに読んでほしい本なので、補習校で保存が決定されたことはうれしいですね。

     キンドル版もあるので、興味がある方は是非とも読んでみて下さい。

  4. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

    原爆の投下を通して、戦争の影が音も立てずにそっと日常生活に入ってくる様を見た。
    声も発しなければノックもしない訪問者の気配を感じながら、これは何が起きているのだろうと、読んでいる最中も読み終わった後もずっと考えていた。

    反戦を声高に叫ぶより、平和の尊さを吹聴してまわるより、政治性やイデオロギーを漂白して、戦争のもつ暗い影を何気ない日常のとなりにそっと位置づける。

    多くの人々から支持を得るのはこういう理由だと思った。

  5. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

    広島の被爆者と被爆二世の家族の物語.何か政治的なメッセージを訴えるのでなく,一家族がいかにあの経験に向き合ったのかというおはなし.
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