夕凪の街 桜の国

昭和30年、ヒロシマを舞台に一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。
最もか弱き市井の人たちにとって戦争とは何だったのか、原爆とは何だったのか。
こうの史代が描く渾身の問題作。

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コメント

  1. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

    原爆について子供に何か本を与えるなら「はだしのゲン」よりこちらの方が思想を引っ張られないと聞き読んでみました。

    あの時代を生きた女性の視点、そしてその子孫へと続く話しです。

    タイトルも好きです。

    読み終えて、これは子供にも読ませようと思いました。

    まだ最近に書かれた本だったんですね。
    周囲にも勧めたいと思います。

  2. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

    私の中で、何度も戦争はいけないことだと思っていたが、ここまでそれを強く思わせてくれた作品はありませんでした。
    また、私の思いが、実は遠い過去の出来事であることから、逃げていたことも実感いたしました。

    「夕凪の街」を読んで、想像を絶する恐ろしさを感じ、一瞬でも読まなきゃよかったと思った自分に不快感を抱きながらも、「桜の国」を読んだ後は、少し落ち着いて、あれこれ思いを巡らせる自分がいました。

    原爆投下については、自然現象ではなく、あくまで人間が引き起こしたものであることを再実感したときの絶望感は、なんとも筆舌に尽くしがたい、哀しくてやり切れないものがあり、生き残った人たちも、それの影響を間接的に受けて生きていかなければいけない思いは、如何ばかりだったのだろうか。
    それを、この作品では、登場人物たちの一見、明るい雰囲気を見せながらの、内面での葛藤や思いを吐露する形で、教えてくれます。

    ただ、その後の世代における辛い中でも、ささやかな和みや幸せを感じさせたエピソード(特に、七波の両親の結婚へのやりとりは涙ものでした)や、ヒロシマとの向き合い方には、家族という、思いを受け継いでゆくものの生きる姿を、まざまざと見せられた思いでした。

    以下、印象に残ったというか、心に刻もうと思ったフレーズを掲載しますが、ネタバレを気にされる方はご注意下さい。

    誰もあの事を言わない
    いまだにわけがわからないのだ
    わかっているのは
    「死ねばいい」と誰かに思われたということ
    思われたのに生き延びているということ

    嬉しい?
    十年たったけど
    原爆を落とした人はわたしを見て
    「やった!
     またひとり殺せた」
    とちゃんと思うてくれとる?

    あんた被爆者と結婚する気ね?
    何のために疎開さして養子に出したんね?
    なんでうちは死ねんのかね
    うちはもう知った人が原爆で死ぬんは見とうないよ

    母からいつか
    聞いたのかも
    知れない
    けれど こんな風景を
    わたしは知っていた
    生まれる前 
    そうあの時 わたしは
    ふたりを見ていた
    そして確かに
    このふたりを選んで
    生まれてこようと
    決めたのだ

  3. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

     原爆の後遺症で1955年に亡くなった少女、その母親、弟、姪のその後を描いた作品。
    当地の日本語補習校の図書室の蔵書は3、4年前まで僕の担当だったので、自分の好みで選んだ一冊。
    処分対象になってる本を何冊か読むので、ブクログもしばらく児童書が続きますw。

     世代を超えて長期に渡る後遺症、生き残った罪の意識、被爆者差別など、重い話ですが、カラッとした場面もあって、全体の読後感は「はだしのゲン」のような感じではないです。

     難を言えば、出だしの場面から人物の名前や、世代を越えた相関図がわかりにくいこと、でしょうか?
     でも、全体的には子どもに読んでほしい本なので、補習校で保存が決定されたことはうれしいですね。

     キンドル版もあるので、興味がある方は是非とも読んでみて下さい。

  4. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

    優しい心を持った人たちの優しい物語。

    自分たちの置かれた状況にかかわらず、他人に対する思いやりにあふれた人たちの物語に、静かな悲しさがあふれてくる。

  5. user より:
    夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

    日本に帰国中に読んだ1冊。

    文芸書ではなく、コミックである。

    日本では新聞紙上でも大きく取り上げられたという。

    広島の原爆被爆者をテーマにした作品。

    作者のこうの史代氏は広島市の出身だという。

    広島に住む人にとって、今も「原爆」による被害は静かに続いている。

    友人もかつて婚約者の母親が被爆者だということで、彼のほうから泣く泣く婚約を取り消したいと申し出られたという悲しい出来事に直面している。

    広島に原爆が投下されて今年で60年が過ぎる。

    それでもなお悲劇は続いている。

    「アメリカが広島に原爆を落とさなければ、まだ戦争は続いていた」
    アメリカ人の多くが、原爆投下をそう意義付けていることに、いつも釈然としない思いを抱いてきた。

    日本のコミックが大ブレークしているアメリカで、この作品が翻訳されて多くの人の手に渡れば…そう思わずにいられない。

    第8回文化庁メディア芸術祭受賞作品。

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