
呉市に嫁いだすずは、不器用ながら北條家に溶け込み日々を過ごしてきた。
だが、やがて戦争の匂いがすずの暮らす街を色濃く染めていく。
空襲、原爆、終戦。
戦争が一人の女性の小さな世界を歪ませていく。
ページを捲る手が震える、魂の最終巻!
映画化 原作漫画
呉市に嫁いだすずは、不器用ながら北條家に溶け込み日々を過ごしてきた。
だが、やがて戦争の匂いがすずの暮らす街を色濃く染めていく。
空襲、原爆、終戦。
戦争が一人の女性の小さな世界を歪ませていく。
ページを捲る手が震える、魂の最終巻!
コメント
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
描かれるのは、純粋で愛らしい少女すずの成長。
彼女の日常を追ううち、緊張がほぐれていくように穏やかな気分になる。
驚くような展開はないが、素敵な絵の一コマ一コマに感動する。
文学のような緻密な美しさがあると思う。
やはり暗さがない。
ついに伏線が回収される。
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
21年1月までの広島。
この巻で物語は終わる。
すずさんの意思がいままでになく伝わってくる。
姪も自分の右手も家族もなくしていく。
戦争までなくしたとき激しく感情を爆発させた場面では、胸をギュッとしめつけられた。
あのすずさんが吼えたのだ。
一番悲しい巻だった。
戦争の延長線上に現在があるということ、私たちは忘れてはならないんだということを。
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
あまりにもどこにでもある日常。
その中に入り込む残酷な出来事。
そしてそれすらも日常になる。
淡々とかかれているにも関わらず愛に満ちている。
映画化をきっかけに読めてよかったと思う。
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
それもほぼ反撃できない一方的な戦いだ。
状況は一変し、坂道を転がるように全てが破局的に悪化。
終戦となる。
陛下の玉音放送を聞いたすずさんが、敗戦を受入れられず言う。
この国から正義が飛び去っていく
ああ、暴力で従えとったいう事か
じゃけえ暴力に屈するいう事かね
それがこの国の正体かね
うちも知らんまま死にたかったなぁ・・・
彼女の無念さが良く現れていて、涙がでました
少しでも多くの人が読んでくれたら嬉しいです。
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
太平洋戦争時、軍都・呉に生きるありふれた庶民の家庭にスポットをあて、銃後の生活を単純な抑圧と絶望の日々として描かなかったところに、このマンガの価値がある。
物語は年代記的な筋立てで進みながら、こちらの想像とはかなりちがう結末へと奔流のように押し流されていく。
下巻では、昭和20年4月~21年1月までの1年に満たぬ期間が描かれていくのだが、それこそページをめくるごとに次々と重大な出来事が主人公すずの身の上に押し寄せてくる。
戦争の時代に生きるとは、きっとこのような時間体験をすることなのだと読者に思わせるのが、作者の狙うところだったのだろう。
大切なものをいくつも失い、正義なるものに決定的な不信を抱き、戦争とは裏切りと暴力を変換キーに掛けたものであることを見抜いたすずが、傷ついた身体への自己憐憫に淫することなく、〈普通の人〉を生き続けようと決意する姿は感動的といえるだろう。
8月15日の玉音放送をもって戦争が終結したという記述など、ただの書かれた歴史に過ぎない。
この日をもって死んだのは国家大義であった。
市民の生活はなお途絶えはしない。
瀕死にあろうと留まることなく、傷にえぐられようと立ち枯れることなく、戦争の痛みの記憶を宿して川のように現在へと流れ着く。
自衛隊が海賊退治を名目に平然と海外派兵される時代に、この作品がどんな影響力を読者に持ちうるだろうか。
だからこそ、ひとこと余計な注文を付け加えるとすれば、登場人物が全て「善人」からなる「こうのワールド」はこの作品で完成を見たと思いたい。
作者が今後もこのテーマを掘り下げてくれるならば、いずれ「加害者」の側から戦争の正体に踏み込んでみてほしい。
戦争を遂行を容認した人々、積極的に加担した人々、そして彼らによって生を抑圧された人々…。
そんな庶民の姿をありのままに作品に盛り込んでほしいと思う。
敗戦を知ったすずが嗚咽する場面に、そんな方向性への萌芽が読めたように思った。
「どうして戦争を止められなかったの?」
いつか子どもたちに、そんな質問をされる日が来るかもしれない。
そんな不幸はごめんです。