
ほんとうはすべて知っていた。
心の底流(undercurrent)が導く結末を。
夫が失踪し、家業の銭湯も手につかず、途方に暮れる女。
やがて銭湯を再開した女を、目立たず語らずひっそりと支える男。
穏やかな日々の底で悲劇と喜劇が交差し、出会って離れる人間の、充実感と喪失感が深く流れる。
映画一本よりなお深い、至福の漫画体験を約束します。
「今、最も読まれるべき漫画はこれだ!
すでに四季賞受賞作で確信していたその物語性と演出力に驚く。
豊田徹也は心の底流に潜む、なにかの正体を求めるように静かに語る。
」――(谷口ジロー)


コメント
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
豊田徹也氏の作品は・・・今年(2019)の5月23日に読んだ…「珈琲時間(2009)」以来に読むなー。
暗い話ではなく、ほっこりと笑える部分があって。
面白く読めた。
おふろ屋がテーマな漫画も良いなーって。
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
1 下層の水流、底流
2 《表面の思想や感情と矛盾する》暗流
小説のような豊田徹也の漫画。
大雨の夜に読了。
家業の銭湯を継ぎ、日々の暮らしを営む主人公かなえ。
8年の時間を共にしてきた夫の突然の失踪。
その後、町で起こるいくつかの事件。
ミステリー要素と共に展開される人間の描写。
探偵山崎の「人をわかるってどういうことですか」という問いかけが
作中全体を通じて、じわりじわりと投げかけられる。
長い時間を共にしてきたからといって、
その人の考え方を知ったからといって、
その人のことを”分かっている”わけじゃない。
”ちょっとした表情とか間とか…沈黙とかそういった”
言葉にならない本当の言葉の部分に触れることができるのか。
人に言えない過去を抱えながら生き続けていることへの葛藤や
今を共にする人に分かってもらいたい・分かち合いたいという願望。
そういった繊細な心情が人の水面下でゆらゆらとしている。
死を願うかなえの涙を拭う堀さん。
夫との最後の別れにビンタではなくマフラーをかけるかなえ。
undercurrentというタイトルが妙味を持って迫ってくる。
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
何も分かっていなかった自分。
そして過去の傷との対面。
ほのぼのした情景の中にチクチクと骨が刺さっている感じ。
ミステリー要素も漂いつつ静かにでも確実に時が流れていく。
ラストは賛否分かれるところだけど、あえて私は白黒つけず読者にゆだねる結末でもありだったのではないかな?と思う。
そういう雰囲気でも許される作品であったと思う。
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
アンダーカレント アフタヌーンKCDX
決してみんながみんな前に進んでいけるわけじゃないのに、読んでいるうちにふつふつと湧き上がるものがあって、それをなんだろうかと考えると、どうしようもなくて遣る瀬無い想いだった。
だからこそ、サブ爺の最後の言葉が響く。