
「アンダーカレント」「珈琲時間」というロングセラーを生んだ豊田徹也はじめての短編集。
単行本未収録だった表題作、ファン待望の『ゴーグル』ほか、月刊アフタヌーンにて発表された、感動あり、笑いあり、そのどちらでもない微妙なものありのバラエティー豊かな中短編が楽しめます!
実写化 原作漫画
「アンダーカレント」「珈琲時間」というロングセラーを生んだ豊田徹也はじめての短編集。
単行本未収録だった表題作、ファン待望の『ゴーグル』ほか、月刊アフタヌーンにて発表された、感動あり、笑いあり、そのどちらでもない微妙なものありのバラエティー豊かな中短編が楽しめます!
コメント
探偵の人は「アンダーカレント」の人なのかな? 「ミスター・ボージャングル」「とんかつ」あたりが特に好き。
前作の「珈琲時間」と同じく豊田徹也らしい作品ばかりなのだけど、読みたかったのはこれじゃないという印象のも同じ。
どの話もいい話ではあるけど、行動の動機や考えがいささか表層的。
どこかで読んだような作品になっているので、もうひとひねりふたひねり欲しい。
あと、豊田徹也の絵はよく映画的表現と言われて確かにその通りだが、これも必ずしも良いことばかりではないと思う。
映画という動画での作品と漫画という静止画での作品とでは当然、効果的な演出が違ってしかるべき。
漫画でいうコマ割り、映像でいうカット割り一つとったって、両者は交換可能ではない。
にも関わらず、映画的表現をそのまま導入して、漫画としてのリズムを損なう箇所がたびたびある。
動く絵でこそ活きる表現が、静止画の中に入ったとたん動きを失ってリズムを狂わす。
こういうところはデビューから最近まであまり変わっていない。
しかし、つくづく豊田徹也は損な作家だとは思う。
これだけ批判したものの、他の作家さんであれば純粋によかったと言える。
でもこの人には「アンダーカレント」がある。
たぶん僕を含め多くの人が豊田徹也の処女単行本でありいまのところ唯一の長編作品であるアンダーカレントで彼を知り、その後の作品を読んでいる。
アンダーカレントが基準点というハードルを上げられた状態で、しかも短編集とあっては確かに勝ち目のない戦いではある。
しかし、だからこそここでもう一度長編に挑んでほしいというのが多くの読者の望みなんじゃないか。
近年、一番アフタヌーンらしい作家と思っている豊田徹也の短編集。
この人の作品はニューウェーブと言われた作家の影響をガッチリと受けつつも現代の軽さ関係性の薄さを心地よく描くから好きだ。
人間同士ってそれほど熱く濃く付き合っていけないよね。
でもそのさらりとした空気の中にもそれぞれ思いってのは確実に存在するのだ。
『スライダー』は全くのギャグ。
だが、人と言うのは自分の状況を誰かのせいにしたいと言う欲望は必ずあると思うんだよね。
まぁ、デフレスパイラル。
『ミスター・ボージャングル』人の二面性、さらに違う視点。
その中から人はどの評価を採用するべきなのか。
『ゴーグル』デビュー作。
これから9年か。
道具だて、その理由。
そしてこれから。
作者本人は古くさいと言うが、こういう話は普遍性が有ると思うんだ。
未読の人(漫画読み)は見とけよ。
『古書月の屋買取行』二ページ漫画。
こういう作品があるから電子媒体反対なんだよ。
めくりの妙。
『海を見に行く』ゴーグルの前日譚。
彼女が生きていると思える。
積み上げたからできる一作。
『とんかつ』人ひとりの生きざまそれぞれの人生、色々有るけど今がある。
ただそれだけなんだけど、漫画と言う媒体でこそ生きる書き方に好感。
日常の延長に潜むちょっとした物語、なんでもない科白回し、平凡な小道具。
全てがさりげなくそこに寄り添っているのに、当たり前のような顔で面白い。
珠玉もそうじゃないのもとにかく描いたものあるだけ・・・」というのが正直なところ。
この人は本当に寡作だなあ。
「海を見に行く」のあとがきを見て、改めて海のシーンを見直した。
確かにこれは入魂のトーンなんだろうなと思う。
漫画を見る中で初めてそういう見方をした。
今度から気をつけて見てみよう。
アンダーカレントを読んだ者としては、もっと期待してしまう。
、