
「じゃーな、西宮(にしみや)」。
硝子(しょうこ)を庇って大けがを負い、眠り続ける将也(しょうや)。
前を向くと決めた硝子は、絶望の中、壊してしまったものを取り戻そうと動き出す。
バラバラになった仲間たちの「こえ」にそっと耳を澄ませる――。
繋がる想い。
そして、再開した映画作り。
時を刻み始めた彼らの世界に、待ち受ける未来は――。
映画化 原作漫画
「じゃーな、西宮(にしみや)」。
硝子(しょうこ)を庇って大けがを負い、眠り続ける将也(しょうや)。
前を向くと決めた硝子は、絶望の中、壊してしまったものを取り戻そうと動き出す。
バラバラになった仲間たちの「こえ」にそっと耳を澄ませる――。
繋がる想い。
そして、再開した映画作り。
時を刻み始めた彼らの世界に、待ち受ける未来は――。
コメント
石田将也は小学生の時に、聴覚障害者の転校生西宮硝子を苛め、硝子は転校、将也はその後ずっとイジメに遭う。
高校生になって再会した彼らの心の襞を、作者は丁寧に写し取る。
イジメや聴覚障害だけでは無く、硝子の妹は不登校だし、将也の姪はハーフだ。
そして2人の親は片親である。
登場人物たちは何らかの「障害」を負っている。
友人たちを含めて悪人は1人も居なくて、ただ将也にとってちゃんと相手の聲が聞こえない人物は全部バツ印や顔付きで表現される。
そして友人たちも実は、1人ひとり「周りのホントの聲が聞こえない障害者」であることが、作品全体を通して明らかになる。
将也のバツ印が剥がれるのは、この作品全体を通してでしかあり得なかった。
振り返って見て、私の学校時代にこういう作品が必要だったのか、考えてみる。
お前が鈍いだけだ、ともいわれるかもしれないが、私の時にはこんな陰湿なイジメも、片親も、ハーフも居なかった。
だけど、友だちの気持ちがわからない問題は、いつも深刻だったし、恋の問題もあったと思う。
ただそれはマンガでは描かれることはなかった。
マンガはそこまで成熟していなかったし、不良や貧困問題の方が深刻だった。
だからこの作品は、現代だからこそ生まれた作品であり、記憶しておいていい作品だと思う。
アニメ映画がヒットしている。
アニメを観たからこの作品を読んだのだが、アニメでは到底わからなかった真柴や植野の気持ちや、西宮の自殺未遂のホントの気持ちも、今回やっと納得がいった。
ただ、アニメは全7巻をよくぞあそこまで纏めたという意味ではちょっとすごいとは思った。
未来までの階段
それぞれの仲間の旅立ちや成長が描かれ、過去巻を読み返してまたこの巻を読むといろいろと発見できそうな仕組みがつまっているように思う。
その頃に「今一番面白いと言っても過言ではない」というような感想を書いたが、最終巻まで読み終わった今、「ほら、やっぱり面白かった」という気分だ。
主人公やヒロインが直面するいじめや、人間関係の描写は読者の心をえぐり、ひきずり出すほど生々しく、誰もが経験したことのあるであろう「気まずい感覚」を思い起こさせる。
そして彼らが人間関係という見えない敵に立ち向かっていく様に、どうしようもなく心揺さぶられるのだ。
終わるタイミングも良かったと思う。
こんなに突き抜けるように気持ちが晴れる作品はなかなかない。
最初はかなり重かったけどね。
いい漫画です。
作者のこれからを応援します。
作者の気持ちを感じました。
多分こんなふうになることはむずかしいでしょうね。
でも、他者のことがわかるということは、同情することではなくて、自分を突き詰め、他者からの自分を見つめることなんでしょうね。
読み終わった感想をブログに書きました。
読んでみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202005180000/