この世界の片隅に

呉市に嫁いだすずは、不器用ながら北條家に溶け込み日々を過ごしてきた。
だが、やがて戦争の匂いがすずの暮らす街を色濃く染めていく。
空襲、原爆、終戦。
戦争が一人の女性の小さな世界を歪ませていく。
ページを捲る手が震える、魂の最終巻!

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コメント

  1. user より:
    この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

    戦争の否定ではなく生を肯定する物語。
    右手を失ってから歪んでいた背景が、最後の最後に、呉を自分の選んだ場所とした時に鮮やかに優しく輝いた。
    背景は歪んでも終始、人物の姿は歪まなかった。
    人間の強さか、すずの心か。
  2. user より:
    この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

    戦時の広島・呉を舞台に描かれた、一人の女性と周囲の人々の日常の物語です。

    ほのぼのタッチで描かれているからこそ、戦争の厳しさや惨さが鮮やかに伝わってきました。
    こんなに辛いことが当たり前の日常となってしまうような時代は、二度と来て欲しくはない。
    私がもしこの時代に生まれていたら、きっと前向きに生きることはできなかったと思います。

  3. user より:
    この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

    終戦の年の4月~戦後までを少々。

    時期的に不幸な出来事も多いですが、そうでもない出来事があったりも。

    あとがきで先生が書かれている
    「誰か」の「生」の悲しみやきらめきが感じられる1冊でした。

  4. user より:
    この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

    下巻。
    21年1月までの広島。
    この巻で物語は終わる。

    すずさんの意思がいままでになく伝わってくる。

    姪も自分の右手も家族もなくしていく。
    戦争までなくしたとき激しく感情を爆発させた場面では、胸をギュッとしめつけられた。
    あのすずさんが吼えたのだ。

    一番悲しい巻だった。
    戦争の延長線上に現在があるということ、私たちは忘れてはならないんだということを。

  5. user より:
    この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

    悲惨な歴史の傷跡、湿気と粘り気が強く暗い、我々が知っている戦争時代とはそんな印象だ。

    とにもかくにも、人が生き物があちこちで死んで、貧しくて、理不尽で。

    「二度と同じ過ちを繰り返さないため」ということを後世の者に伝える。

    より生々しくてより衝撃の強いもの。
    そうでないとその惨たらしさを、現実にあったもの、一歩間違えればまた現実にしてしまうもの、と真摯に受け止めないだろうと与えられた情報であり教育だ。
    志しは間違ってはいない。

    しかし、よりリアルであればあるほど、遠いむかしの遠い地でおきた出来事でまさか今現在おきることではないだろう、と錯覚してしまう。
    そこで殺されている人たちに思想などなく、殺している人たちに家族などない。
    そんなふうにも。

    なぜなら、怖すぎるからだ。
    逃避である。

    でもそれは当然の逃避なのだ。
    おきて欲しくはないことだからこそ、御伽噺のように単なる人形のように受けとめてしまうのだ。

    「あんな悲惨な事実はおきてはならない」
    そう思わせるために、ときに生々しい衝撃があるのも必要だろう。

    しかし、違う見方もあるのだと思う。

    寒い冬でも家族一緒に漁をして、ふかしたお芋にのどを詰まらせ、おこづかいでキャラメルを買い、つまめるくらいにチビたエンピツでお絵かきを楽しみ、着物をほどいてまた縫い直し、そこらで摘んだ野草を美味しく料理し、家族総出で家を改築し、足の悪いお姑さんを自転車に乗せ集会に出向き、隣組で配給係の当番をし…
    現代では苦労ととられることでも、当時の人たちにはいたって日常の出来事で、それが辛くなかったのは、家族の絆がきつく結ばれていたからで。

    焼夷弾が降ってきたり、家が焼けてしまったり、友だちが空襲で亡くなってしまったり、片手が爆弾で吹っ飛んでしまっても、明るく生きなくては、そうしなくてはならなかった。

    それでも幸せはあった。

    悲惨な歴史の傷跡という大きな大きな側面からではなく、個人の小さな小さな幸せと悲しい出来事。

    外側からズームアップするのではなく小さい個人からズームバックする。

    そうすれば、自分とまったく変わらない、感情のある血のかよった人々の悲しい出来事だったのだと、捉えられるのではないだろうか。

    この作品は、まさにそれ。

    ほんわかとやわらかいタッチの作風で、一体どれだけの悲惨な状況が語れるのだ?と思ってしまいそうだが、それがギャップとなって、グロさがないのに、胸がぐっと絞めつけられる切なさを抱いてしまう。

    もしこの悲惨な環境が今、自分の身におきたら、どれだけ辛いだろうか。

    もしこのあたたかな人たちが今、自分の周りにいたなら、どれだけやさしい気持ちになれるだろうか。

    そんなふうに読んでもらいたい作品です。

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